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■労働時間について

労働時間ってなんでしょうか?

働いている時間だよ!と言われればもちろんそうなんですが、

どこまでを働いているというのかについては、実は結構難しかったりします。

例えば、始業よりも早く来て、準備をしていたりする時間は?
デスクでアイディアを考えているときは?
編集者が作家の原稿を待っている時間は?
会社から呼び出されたら出勤しなければいけない時は? 
仕事の最中に交代で仮眠をとっている長距離バスやトラックの運転手さんは?

そう言われてみるとどうなんだろう?って思ったりしませんか?

また、割増賃金のところでも述べましたが、労働時間の規制についてはどうなっているのでしょうか?
そして、法律上禁止されているはずの時間外労働をさせる場合はどういう根拠なんだろう?

なども少しずつ見て行きましょう。

まずは労働時間の定義についてです。

労働時間とは、実際に働いている時間以外にも、手待時間など使用者の管理監督下にある時間のこと
すべてを言います。

上記の例で言うなら

始業よりも早く来て、準備をしていたりする時間は原則労働時間と認められます。

なぜなら、例えば銀行なんかではお店は9時に開くかもしれませんが、
その時点ですべての準備が整っていなくてはいけません。
そのために始業時間を9時より早くする事が多いでしょうが、新入社員なんかだったりすると、
先に来て鍵を開けたり、職場の掃除をしたりすることが当然のこととして
直接もしくは暗黙の了解として指示されていることも多いでしょう。
ですが、これは業務に必要なことであり、それをすることが管理者から求められているので、
原則労働時間と認められます。

また、デスクでアイディアを考えているときや、編集者が作家の原稿を待っている時間についても、
原則労働時間と認められます。
なぜなら、労働をするために必要と使用者が認めていて、その作業をするように指示しているからです。

もっとわかり易い例を言うなら、
ファミレスでバイトをしていて、お客さんが誰もいない時間のフロア担当なんかが挙げられます。
仕事はなくて暇かもしれませんが、その場で待機していないといざお客さんが来た時に対応できません。
だから、店長さんがその場所にいることを命令しているので、労働時間になるわけです。

会社から呼び出されたら出勤しなければいけない時についても、労働時間と考えられるケースがあります。
職場で待機しているならもちろん労働時間ですが、自宅などにいたとしても、
例えば事業場から常に携帯電話はつながるように、連絡したら何分以内に到着するように、
と要請されている時なんかは労働時間にカウントされます。

さらに仕事の最中に交代で仮眠をとっている長距離バスやトラックの運転手さんも、労働時間と認められます。
なぜなら、こういった人たちは安全に運転をするために、連続の運転時間などが法令で決められています。

例えばトラックの運転手さんは連続4時間以上運転してはいけませんし、
2日間平均で1日あたり9時間までしか運転してはいけないことなどになっています。
もしもこれらの法令が守られないと、運転手さんの過労によって長距離バスやトラックの
事故が起こったりするかもしれません。
実際に痛ましい事件がいくつか有りましたよね。

とは言っても、業務上運転時間がそれでは足りないこともあるでしょう。
そういう場合は、もう一人の運転手さんを助手席に乗せて、かわるがわる運転するわけです。
このもう一人の運転手さんを乗せることは、使用者の要請でそこに拘束されているため、労働時間と考えられます。

どうです?思ったよりも労働時間の概念は多くありませんでしたか?
労働者が“労働”している時間は結構長かったりします。

使用者は労働時間を管理する必要がありますし、
労働者も健康に働くために自分がどれくらい働いているのかを把握しておくのがいいですよね。

なお、労働時間で揉め事が起こった場合に、使用者が労働者の労働時間を管理、把握できていない場合は、
問題外として心証がものすごく悪くなります。

うちは皆に労働時間と固定残業代を出しているから、それでいいんだ!
なんていうのは、
いざ争いになったら通用しません。
労働時間の管理は労働者の安全を管理するために必要で、賃金云々以前の話として捉えられます。

使用者の方はくれぐれも労働時間管理を徹底してください。 

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