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■休憩時間と休日

今まで労働時間について見てきましたが、

労働時間には休憩時間は含まない、という原則が有りました。
では、休憩に関する決まりはどうなっているのでしょうか?

休憩については、労働を連続して行うと能率が落ちるだけではなく、体や心にも影響が及びます。

学生時代の講義が1コマ2時間を超えるものは通常ないことからも、
休憩なしの連続した作業や労働は確かに能率が落ちそうです。
また、サッカーの試合だって途中でハーフタイムがあることを考えれば体や心への影響も納得いきますよね。

休憩の不足による健康への影響を出来る限りなくすために、労基法では休憩時間に関する決まりを定めています。

使用者は労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 (労基法34条1項)

ポイントは、休憩時間は労働時間の途中に与えることと、労働者が自由に使えることです。

労働時間の途中に与えることは、上に書いてあるように、労基法でも明記されていますね。
だから、仕事の最後が休憩時間だからそれでいいよね、なんていうのは通用しないのはどう見ても明らかです。

また、労働者が自由に休憩時間を使えることについてですが、これも労基法で決まりがあります。

使用者は第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。 (労基法34条3項 )

職務の規律上、外出は許可制にするとかそういうのは問題ありません。

ですが、
休憩時間だけど呼び出されたらいつでも仕事に戻ること、とか、
休憩時間中は外出禁止で職場の中だけにいること、
なんていう運用の仕方だと、休憩時間だとは認められません。

他にも休憩時間は労働者に一斉に与えなければならない、という原則が有ります。
ですが、現実的には結構難しいですよね。

例えば昼休み中でも電話番を持ち回りとして残しておいたりすることはあるでしょうし、
銀行だとか病院なんかで、交代で休憩を取る、なんていうことが認められなくなったら大変です。
もしも病院で何かあった時に、看護師さんやお医者さんがみんな休憩中で誰も対応してくれなかったら困っちゃいますよね。

だから、この原則については労働者と使用者で協定を結ぶことで、例外が認められるんですね。

他にも、一部の業種、例えば国際線のパイロットや客室乗務員なんかや、管理監督者には休憩時間をそもそも与えないことも認められています。

また、休日については法律上は最低でも1週間に1日与えることになっています。

使用者は労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。 (労基法35条)

最近の日本では完全週休二日制の会社が増えていますが、法定休日は週1日です。
毎週日曜日が休み、土曜と祝日は出勤、なんていうのは労基法違反ではありません。
もっともその場合でも原則週に40時間勤務は縛りとして有効ですし、
祝日が作られた趣旨からすると休日にすることが望ましいともされています。
また、就業規則などで決まっている場合には、休日は4週間で4日でも構いません。
この場合であっても、週に40時間労働の制限はあります。

休憩時間や休日は労働者の健康のためにはもちろんですが、
労働を安全に能率よく行うためには必要不可欠のものです。

労働者にしっかりと休みをとってもらって、気持ちよく働いてもらって、良質の仕事を提供してもらいたいものですよね。