■労基法7つの原則
■労基法原則5―強制労働の禁止―
一部の方にとっては意外かもしれませんが、強制労働は禁止されています。
使用者は、暴行脅迫監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、
労働者の意志に反して労働を強制してはならない。 (労基法5条)
この原則そのものは非常にわかりやすいのですが、もしかしたら世間ではもっとも侵されていて、
みんながそのことに気がついていない原則かもしれません。
なぜなら暴行脅迫監禁その他、はかなり広い概念を含むからです。
例えば殴られたなどはもちろん暴行ですが、その他にも脅迫的な言動をほのめかした程度でも脅迫になります。
昔の漫画にあったような、悪い人が
「そういえばお前には2つ下の妹がいたっけなあ」
なんて言って、労働を強要することも脅迫に含まれます。
さらに、罰金や借金などを給料から長期にわたって天引きする約束をすることも、
もしもその金額が払い終わらなければ仕事をやめることが出来ないので、
強制労働に準じることになります。(労基法14条、16~18条などの規定)
例えばアルバイトをした時に失敗してお店に損害を与えてしまった、それを返すまでは仕事をやめられない、
なんていうのもこの原則に反しているんです。
どうですか?知らないうちに“強制労働”させられていませんでしたか?
また、強制労働の禁止に違反すると、
労基法117条により1年以上10年以下の懲役または20万円以上30万円以下の罰金、
と労基法の中ではもっとも重い刑罰が課せられる原則です。
それだけ日本国憲法の身体の自由を不当に侵すことを、問題だ、と思っているわけです。
くれぐれも、知らないうちに法律に違反しないようにしたいですよね。